顧客は商品やサービスを購入した後も、あなたのウェブサイトに足を運びます。購入後の顧客との良好なコミュニケーションは、友人や知人の紹介つながったり、オプションやメンテナンス商品の購入につながります。
当然、新規の未購入のお客様とは、訴求する情報を変えたほうが良い場合も多くなってきます。そこで、マーケティングオートメーションツールの出番です。この記事では、他のMAツールと比べて非常に安価に高機能MAを手に入れることができるWordPressのプラグイン「FluentCRM」をご紹介します。
マーケティングオートメーションツール(以下MA)とは、マーケティング業務を自動化することで業務効率化、生産性向上を図るツールで、個人を特定し、それぞれに対して適切なマーケティングアプローチを行うことによって、商材に対する興味・関心、購買意欲を喚起させることができます。
MAの機能は、各社それぞれ違いがありますが、全てのMAに実装されている機能として、以下の2つがあります。
MAは、複数の機能が合わさっている上、アクセス情報管理のためのサーバー負荷も結構あるため、月額数万円〜数十万円する高額なツールとなっています。
Mauticというオープンソースのものもありますが、実装の手軽さという点で、私は、WordPressのプラグインであるFluentCRMをおすすめします。
Email Marketing Automation Plugin for WordPress「FluentCRM」
FluentCRMは、無料版もありますが、制限が多く雰囲気を確認する程度にしか使えません。普通に使おうとした場合でも年額$129で利用できます。
他のMAと比べて、FluentCRMで、劣っている機能、使用デメリットから先にお伝えしておきたいと思います。
- 名寄せ前のアクセスの管理にはむかない
- SNSとの連携が弱い
- wordpress内で完結するので、サイトを横断する調査は難しい
それでも、私は、WordPressの優秀なプラグインが利用できるという点で、他のMAにはない使用メリットがあると思っています。コンテンツ管理機能だったりフォーム作成といった機能は、WordPressの他のプラグインを利用することで、他のMAツールを超える機能が期待できます。
FlutterCRMやその他のMAでは、最初にカスタマージャーニーを設計します。ここが最高にマーケティングスキルを試される場所です。カスタマージャーニーを作成する際にも、顧客の現状というスタートがあって、それに対するゴールとして、顧客にどんな購買欲求をいだかせたいのかを考えます。
例えばFluentCRMの場合は、以下のような行動を把握して、それをキッカケとして、訪問者にメールを送ったり、条件分岐をさせて別のシナリオを、たどらせることができます。
- ユーザー登録
- 特定のリンクを辿った
- ○日経過した
- ○時間経過した
- フォームから送信した
- 商品を購入した
メール配信後は、開封率、クリック率、収益などを分析することができます。また、誰がメールを開いたか、誰がクリックしたかなどのデータマトリックスを確認し、それに基づいて、より多くのアクションを行い、顧客をさらにセグメント化することができます。
FlutterCRMの情報は英語の情報が主になっているため、サっと理解することが難しい方も多いと思います。ここからは、プラグインで説明されている情報に基づいて、機能についてご紹介したいと思います。
MAには、あまり使い慣れない言葉がでてきますので、はじめにいくつかご紹介します。まず、顧客を育成するツールですので、そのレベルによって呼び方が変わる場合があります。
アクセス(訪問者)→ コンタクト(連絡先)→ リード(見込客)→ カスタマー(顧客)
カスタマージャーニー
取得した連絡先を優良顧客へと育成していく過程のこと。
ファネル
理科の実験で使う「ろうと」の意味。いくつかの分岐点を経て、優良顧客が絞りこまれていくためろうとに似ている。
ナーチャリング
訪問者を優良顧客へと育成すること。育成の意味。
Eメールマーケティング
- メールキャンペーンの送信と予約配信ができます。
- キャンペーンの詳細なレポートが手に入ります。
- 顧客導入時やWordPressのイベントごとにオートメーションを実行できます。
- 自動配信メールの送信履歴と効果の追跡ができます。
顧客管理
- すべての顧客情報を一元的に保存します。
- CSV、WP Users、WooCommerce の顧客から連絡先を自動的にインポートすることができます。
- 連絡先の育成レベルごとにすべてのマーケティングメールを追跡できます。
- 連絡先プロフィールにメモ、会議記録、通話を保存できます。
- リスト、タグで連絡先を分類し、適切なターゲットにフィルタリングします。
コンタクトの分類とレポート
- タグやリストをいくつでも作成し、連絡先を適切なセグメントに割り当てることができます。
- リストやタグによる顧客の絞り込みや検索
- タグやリストを含むマーケティングメールを送信し、特定のキャンペーンメールを受け取りたくない連絡先を除外することも可能です。
- コンタクト数とリード数は無制限
- 書きかけのメールを保存しておけば、いつでも利用できます。
- ブロックエディター付きのメール作成機能で、美しいデザインされたメールを作成できます。
- 配信メールには、カラムや画像、動的なコンテンツを追加できます。
- メールや件名に、連絡先名や国名などのダイナミックに挿入できます。
- 将来の日時を指定して予約メールを送信することも可能です。
- 開封率、クリック率など、詳細なレポートを見ることができます。
- どのリンクがクリックされたのか、どの連絡先がリンクを開いたのかを確認することができます。
- メールの送信数は無制限です。
メールマガジン
見込み客の収集、メールの自動送信、購読フォームの表示、メールマガジンの送信をすべてWordPress内で行うことができます。FluentCRMは100%セルフホスティングのWordPressプラグインで、ニュースレター、マーケティングキャンペーンを送信することができます。
メルマガ配信後、何通開封されたか、どのリンクがクリックされたか、誰がリンクをクリックしたかを追跡することができます。メールマガジンのキャンペーンから、分析結果を得ることができます。
マーケティングファネルビルダー
- コンバージョン率の高いカスタマージャーニーをデザインします。
- サインアップ、フォーム送信、製品購入、教育コース登録など、様々なアクションから、ファネルを作成します。
- 連絡先の収集から有料製品の販売まで、シンプルなファネルを構築できます。
- マーケティングの全ステップを自動化し、タイムリーなアクションとレスポンスで顧客個別に連絡をとります。
- 各ステップにおけるファネルの効果を測定し、より良い方法を見つけることができます。
オプトイン・フォームを統合
- FluentCRMからメール配信への同意のためのオプトインフォームを作成することができます。また、より高度なフォームを作成するのに、FluentForms(無料プラグイン)を使用してリードを収集することができます。
- フォームの送信や送信されたデータによってユーザーをセグメント化することができます。
分析とダッシュボード
- ダッシュボードから、グラフ、チャート、データなどで、ビジネスの全容を把握することができます。
- すべてのマーケティングメールを追跡し、詳細なフィードバックを得ることができます。
- 購入履歴、サポートからオフラインの電話まで、顧客に関するすべてのデータポイントをアクティビティログで確認できます。
FlutterCRMにはその他にも、ECプラグインとして代表的なWooCommerceとの連携や会員サイトを作成するPaid Membership Proとの連携、Zapielによって、様々な外部のサービスとも連携できます。などWordPressならではの拡張性を秘めています。
FlutterCRM全般の印象として、UIが非常に洗練されていて、非常に使い易いと思いました。同じ製作者がリリースしているFlutterFormというプラグインもあるのですが、ContactForm7やMW WP Formと比べると段違いの使いやすさです。そういう点でも私は、FlutterCRMをおすすめしたいと思います。