Web活用術やIT業界で稼ぐノウハウを発信

WEBデザイナーの働き方改革の過去と未来

WEB業界というのは、残業が当たり前の泥臭い職業でしたが、最近はそうでもなくなっているようです。WEBは創るだけだったものが、運用してWEBから稼ぎを生み出すということができるようになって、余裕のある働き方が選択できるようになったのもあり、全体的な改善につながっているように思います。手作業だったデザインがAIに頼ることもできる未来も近づいてきています。

WEBデザイナーが長時間労働になる理由

WEBデザイナーというと華やかなイメージがあるかもしれませんが、実力のある人ほど、仕事が集まってきて過酷になります。たいていの場合は、好きなことをしているので、長時間労働は別に苦ではないのですが、理不尽なことがあるとグッと疲れがきます。

最終的な成果物をつくる役割のため、他の工程でうまくいかなかったシワ寄せが、WEBデザイナーに集まりがちです。WEBデザイナーとしては、当初の計画どおりの仕事が進まなくなり、結果、無理をするということになります。

デザイン偏重からマーケティング偏重への移り変わり

2000年代のWEBサイトの役割は広告でした。紙チラシや会社概要と同じ内容をWEBに載せるということが中心だったため、WEBサイトの価値イコール、デザインの美しさでした。この考えは、2010年代になって、WEBマーケティングをみんなが意識しはじめるようになってから変わってきます。

デザインの仕事だけでなく、戦略そのものや、文章ライティング、SEOなどのマーケティングなど、様々な職種がWEB業界に増えてきたことにより、仕事の偏りが分散されます。さらに、社会全体の働き方の意識改革がおこり、残業が少ないことを、技術者獲得のキャッチフレーズにする会社も現れてきます。

WEBディレクターとの役割分担

WEBデザイナーの仕事は、WEBディレクターとの二人三脚の仕事でもあります。良いディレクターに当たった場合は、仕事が楽な上に、完成度も高いサイトが出来上がります。しかし、WEBディレクターの能力は、本当にピンキリです。ディレクターと呼ばれるのに一般的な基準は無いため、制作会社によっては、新卒の社員が入社後すぐにディレクターと名乗って動いている場合もあったりします。

依頼主と開発者の間のただの連絡係になっているケースです。ディレクター本来の仕事がなされないままプロジェクトが進んでいくので、作ったあとに、変更になる箇所が増えるのが、この場合の困った問題です。

場合によっては、コピーライティングまでデザイナーに任せられるときもあり、デザイナーって?と考えてしまいます。少なくともディレクターには、ワイヤーフレームくらいは作って渡せるようになってほしいと思います。

良いディレクターとは?

良いディレクターというのは、素材集めが上手いディレクターです。ディレクターがワイヤーフレームに沿って、必要な文章と写真を集めてくれるだけで、デザイナーは、本来のデザインに集中できます。要求の振れ幅も少ないため、細部の作り込みにも手をつけやすくなります。

ディレクターとしての仕事が出来ているディレクターって1割も居ないように思えます。デザイナーは、予算を動かせない、クライアントに交渉できる立場にいないという制限がある以上、ディレクターに頼らざるを得ません。

こういった状況で、ある程度経験を積んだデザイナーは、ディレクターとしてキャリアップしていきます。ディレクターになると、デザイナーはより多くの報酬を得られるようになります。

AIを使ったWEBデザイナーの仕事

デザイナーの仕事の負担は増えていくにもかかわらず、デザイナーの報酬は年々下降傾向にあります。デザイナーという職種の付加価値が減り一般の仕事に近づきつつある、つまりコモディティ化しているということだと思います。

そんな流れを見越したように、デザインをAIに任せるサービスが現れました。僕はAIを使ったサービスには懐疑的ですので、最初聞いたときは、また、セールスの謳い文句のためにAIを利用しているんだと思っていました。しかし、2019年ICCサミットでのプレゼンテーションを観て、考えを改めました。

LP制作の例で言えば、ワイヤーフレームを用意したり、複数のモックアップから選ぶ作業や、最終的な仕上げは人の手を頼りながら、時間と手間のかかるモックアップの制作をAIに任せることが、できます。

僕の想像していた以上の精度で実現できています。このプレゼンテーションは、僕にとって革命でした。ビビっときました。ちょっと前まで、長い時間かけてデザイナーに教えてきたのと同じことを、AIが一瞬で出来るようになったんだと思いました。そのうち、AIを使うこと前提でのデザイン作業というものが、当たり前になるように思いました。

【AirDesign】AIで勝てるLPを制作する

また、プレゼンテーションの前半で、クラウドソーシングのサービスでAIで作られたロゴ提案を行い、それがコンペにおいてデザイナー以上の成績で勝っているという実績が語られています。これは面白いなと感じていて、デザイナー達が一生懸命、デザインを作っている一方で、AIが自動でいくつもデザインをコンペに投稿して、採用されているのです。

デザイナーの仕事の多くは、まだ生み出されていない、見たこともないようなデザインを創造することではなく、過去の作品の傾向から導きだされたみんなが好むデザインを創ることだということを、AIが証明してしまったのだと思いました。

将来、デザイナーの仕事が無くなるということはないと思いますが、なんちってディレクターと同様になんちゃってデザイナーも必要なくなってくるというのは確信しました。